国内外ネットワークとの連携

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国内外ネットワークとの連携

Post-ICN (International Congress of Neuropathology) 2018 International Brain Bank Symposium at BBAR (the Brain Bank for Aging Research, Tokyo, Japan)

村山繁雄
東京都健康長寿医療センター神経内科・バイオリソースセンター部長、
高齢者ブレインバンク責任者、研究所神経病理テーマリーダー(研究部長)
 

9月23日から27日に私が事務局長として京王プラザホテルで開催した、国際神経病理学会2018の関連事業として、9月28日(金)に、東京都健康長寿医療センター研究棟3階会議室で国際ブレインバンクシンポジウム(Post-ICN International Brain Bank Symposium)を開催した。

シンポジウムには、講演者として、Professor Julie A Schneider (Rush Alzheimer's Disease Center)、Professor Bradley T. Hyman (Massachusetts General Hospital, Harvard Medical School)、Professor Bernardino Ghetti (Indiana University)、Professor Colin L. Masters (The Florey Institute, The University of Melbourne)、Dr. Inge Huitinga (Director, Netherlands Brain Bank, Netherlands Institute for Neuroscience)など、世界的に著名なブレインバンク関係研究者や疾患・病理研究者を招聘した。また座長には、Professor Sung- Hye Park (Department of Pathology, Seoul National University)、Professor Ranil De Silva (University of Sri Jayewardenepura) など、アジアにおいて今後ブレインバンク活動立ち上げの中心になっていくと思われる人たちを招聘し、将来に向けての勉強と交流を図った。

午前中には国際臨床病理カンファランスを行った。ブラジルサンパウロ大学神経内科長橋准教授からのコンサルト症例で、現在国際診断基準の制定が進められている高齢者TDP43蛋白蓄積症について行い、オランダブレインバンク神経病理責任者も討論に加わった。その後高齢者ブレインバンクの施設見学ツアーを私がガイドし行った。

シンポジウムは午後1時から開催され、健康長寿医療センター研究員、国内外の外部研究者,さらに国際神経病理学会に参加された海外の神経病理学者を含め、多数の方々の参加が得られた。会場では活発な意見交換が行なわれ、神経病理学およびブレインバンク分野において国際的な第一線で活躍している研究者から、示唆に富む意見を多数いただくことができた。まず始めにProfessor Schneiderから、Rush大学での高齢者縦断病理研究の成果、神経内科・神経病理の専門医を持っておられることの、本邦神経病理学会への提言をいただいた。次に、Professor Hymanが、MGH Alzheimer Disease (AD) Coordinating Centerr(ADCC)PIとしての組織構築と、ADに蓄積するタウの多様性を述べた。次に、Professor Ghettiが、神経病理医としてIndiana University ADCC PIを勤める意義と、最近Natureに報告されたcryo EMによるpaired helical filamentとタウのアイソフォルム研究を詳述された。次にProfessor Mastersがオーストラリアブレインバンク・バイオバンク構築を、Professor Huitingaがオランダブレインバンクの現状を報告された。

最後に私が高齢者ブレインバンクの活動報告を行った。

当バンクの運用およびその活動は、国内外のブレインバンク活動の専門家から高く評価された。講演終了後に参加者全員で写真を撮り、和やかな雰囲気の中、シンポジウムを終了した。今回のシンポジウム開催により、高齢者ブレインバンクがHarvard基準を満たし、Alzforumに唯一掲載されている本邦を代表する施設であることの、国際的再認識が得られた。今後さらに神経科学研究の下支えになるべく努力していきたい。

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