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ABiS-GBI-OIST-ResonanceBio Joint Symposium “Frontiers in Bioimaging”に参加して

 Global Bioimaging (GBI) プロジェクトは、欧州諸国を対象としたバイオイメージング関連施設のネットワーク組織のEuro-Bioimaging (EuBI) が展開する、イメージングネットワークを世界規模に拡大する取り組みです。欧州諸国に加え、インド、オーストラリア、シンガポール、南アフリカ共和国、カナダ、メキシコ、アメリカ合衆国が参加しており、国際連携が進められています。日本では、ABiSがバイオイメージングネットワークの代表として正式にGBIに参加することとなり、2018年9月15日にオーストラリアで行われたExchange of Experience III (EoE, 実績・経験に基づく意見交換のための実務者会議) において調印式が行われました(調印式については、こちらを参照)。

 このABiSとGBIとの最初の国際連携イベントとして、「GBI-ABiS International Training Course for Bioimage Analysis」が11月1日から11月4日にかけて、沖縄科学技術大学院大学 (OIST) で開催されました。折しも、イメージング技術を取り入れて研究を進めている新学術領域研究「レゾナンスバイオ」の若手トレーニングコースが、10月30日までOISTで開催されていたこともあり、合同トレーニング前のイベントとして、ABiS、GBI、OSIT、レゾナンスバイオによる合同シンポジウム「ABiS-GBI-OIST-ResonanceBio Joint Symposium “Frontiers in Bioimaging”」が10月31日に開催されました。EuBIからは、Jason Swedlow博士 (University of Dundee)とMinh Doan博士 (Broad Institute)、ABiSからは小山宏史博士 (基礎生物学研究所) と森本雄祐博士 (九州工業大学)、OISTからは楠見明弘博士と河野恵子博士、レゾナンスバイオからは吉澤信博士 (理化学研究所)、神谷真子博士 (東京大学)、Peillin Chen博士 (Academia Sinica) が講演されました。OISTおよび沖縄地区の研究者、レゾナンスバイオの若手トレーニングコースやABI-GBI合同トレーニングコース参加者を中心に、約80名が本シンポジウムに参加しました。

 光学機器の発展は著しく、生産される生物画像データの情報量もますます増加しつつあります。そのような膨大な生物画像データから、各研究者が対象とする情報をいかに効率良く抽出できるかが、現在の生命科学分野のイメージング研究では求められています。本シンポジウムでは、生物画像データ取得に関する発表に加え、取得した画像からの情報抽出と解析方法に関する発表が行われました。画像取得という点では、森本博士や神谷博士の新規蛍光プローブの開発、Chen博士の光シート顕微鏡の利用、取得した画像からの情報抽出と解析という点では、吉澤博士の新規フィルターの作成やDoan博士のCellProfierの利用についての講演が行われました。また、小山博士からは細胞系譜の解析におけるパターン形成、楠見博士からは生体膜分子の動態解析における一分子トラッキング、河野先生からは生体膜修復に関わる因子について、イメージング技術を用いた研究成果が発表されました。新たなイメージング機器や技術の開発だけでなく、既存の機器や解析技術を進化させて自身の研究に取り入れ、効率的に研究を進めている話を聞くことができました。

 それぞれの研究者が取得した膨大な生物画像データを、他の研究者が使うことができれば、新しい発見につながるなどの有効活用が期待できます。しかしながら、取得される生物画像データの情報は、それぞれの実験環境で異なっており、共通に扱うのが難しい状況です。Swedlow博士からは、世界標準となりつつある生命系画像の管理システムであるOMEROが紹介されました。OMEROは、Swedlow博士らが開発した大容量の顕微鏡画像データの管理と活用のためのフリーのソフトウェアプラットフォームです。異なる環境で取得された生物画像データを有効活用するためには、画像に付随するメタデータを共通に扱えるプラットフォームが必要で、OMEROはそのようなプラットフォームとして注目されています。既に様々なデータベースとの連携も図られ、国際的なスタンダードになりつつあります。この合同シンポジウムの翌日から開催された、GBIとABiSの合同トレーニングコースにおいても、OMEROの利用に関する講習が行われました。イメージング機器や解析技術の開発も競争となっていますが、連携できる点は協力して進めていき、OMERO等を用いてデータを共有することがますます必要となってくると感じました。ABiSは、最先端機器や解析技術を提供することによって、科研費取得者の研究を支援する取り組みですが、GBIとの連携により海外のイメージングに関する情報や技術の共有化を図り、それらを日本の生命科学研究にフィードバックさせていきたいと思います。

 本シンポジウム開催にあたり、生命科学連携推進協議会の支援とレゾナンスバイオの関係者にご協力頂きました。そして、本シンポジウムに加え翌日からのGBI-ABiSトレーニングにおいて、OISTの島貫瑞樹先生には大変お世話になりました。この場を借りてお礼申し上げます。


本シンポジウム参加者の集合写真。
一列目中央から右に向かって、島貫先生、Swedlow先生、上野先生 (基生研)、Doan先生

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