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法令・指針リンク

国際的な倫理指針・条約

現在の日本で用いられている指針・法令

国際的な倫理指針・条約

ニュルンベルク綱領(1947)

和文http://www.med.kyushu-u.ac.jp/recnet_fukuoka/houki-rinri/nuremberg.html
英文https://history.nih.gov/research/downloads/nuremberg.pdf

第二次世界大戦中、ナチスドイツに加担した研究者たちによって、強制収容所などで数多くの非倫理的な人体実験が行われました。こうした出来事への反省から、医学研究における人体実験の倫理指針としてまとめられたものが、「ニュルンベルク綱領」です。このガイドラインは、実験には被験者の自発的な同意が不可欠であるということを明記しており、後の倫理指針の原型として今日でも繰り返し参照されています。

ジュネーヴ宣言(1948)

和文http://dl.med.or.jp/dl-med/wma/geneva1994j.pdf
英文http://dl.med.or.jp/dl-med/wma/geneva1994e.pdf

第二次世界大戦の災禍は、人体実験の是非だけではなく、現代の医師はどのような倫理原則に従って職務を全うするべきなのか、という根本的な問題を突きつけました。これを受けて1948年に世界医師会が採択した倫理指針が、現代版の「ヒポクラテスの誓い」とも呼ばれている「ジュネーヴ宣言」です。その後、1968年、1983年、1994年、2006年と定期的に改訂されており、現在の条文に至っています。

ヘルシンキ宣言(1964)

和文http://dl.med.or.jp/dl-med/wma/helsinki2013j.pdf
英文http://dl.med.or.jp/dl-med/wma/helsinki2013e.pdf

ニュルンベルク綱領を踏まえながら、人間を対象とする臨床研究に関する倫理指針として、世界医師会によって1964年に採択されたのが「ヘルシンキ宣言」です。正式名称は「人間を対象とする医学研究の倫理的原則」であり、その後複数回にわたって改訂されています。1975年の改正に際しては、生命倫理の重要概念である「インフォームド・コンセント」という用語が導入されており、歴史的にも大きな意味をもつ指針です。

ベルモント・レポート(1979)

和文http://www.med.kyushu-u.ac.jp/recnet_fukuoka/houki-rinri/pdf/belmont.pdf
英文https://www.hhs.gov/ohrp/regulations-and-policy/belmont-report/index.html

ニュルンベルク綱領において提起された倫理原則を、さらに突き詰めて検討し、様々な概念を整合的に体系化したものが、アメリカで発表された報告書「ベルモント・レポート」です。この報告書では、「人格の尊重」「恩恵」「正義」という三つの普遍的な原則が提示され、さらに研究行為を明確に定義しているほか、倫理審査の対象となる行為までをも規定しており、極めて厳密な指針であるといえます。

遺伝医学と遺伝サービスにおける倫理問題に関する国際ガイドライン(1998) 

和文http://jshg.jp/e/resources/data/WHOguideline.pdf
英文http://www.who.int/genomics/publications/en/ethicalguidelines1998.pdf

「遺伝医学と遺伝サービスにおける倫理問題に関する国際ガイドライン」は、1998年にWHOが提案した遺伝医学に関する倫理指針です。個人の自己決定権の尊重、個人の福祉、幸福といった原則に立脚しながら、遺伝医学に特有な問題として、情報の管理や家族・民族への配慮といった事柄にも言及しており、ゲノム研究に関する代表的な倫理指針として位置づけられています。

人を対象とする生物医学研究の国際倫理指針(2002)

和文http://cont.o.oo7.jp/34_1/p7-74.pdf
英文http://www.fercap-sidcer.org/publications/pdf/201202/FERCAP-18-CIOMS%20Ethical%20Guidelines.pdf

「人を対象とする生物医学研究の国際倫理指針」は、2002年に国際医科学団体協議会(CIOMS)によって提案された倫理指針です。この文章の大きな特徴は、発展途上国で起きている感染症の問題を念頭に置きながら、国際的な共同研究を正しく実施するためのガイドラインを提示しているということです。グローバル化していく時代に求められる医学研究のあり方を示したものとして、重要な意味をもつ指針です。

生命倫理と人権に関する世界宣言(2005)

和文http://www.unescobkk.org/fileadmin/user_upload/shs/EST/UDBHRJapanese.pdf
英文 http://portal.unesco.org/en/ev.php-URL_ID=31058&URL_DO=DO_TOPIC&URL_SECTION=201.html

「生命倫理と人権に関する世界宣言」は2005年にユネスコによって採択されました。この宣言は15の項目から成り立っており、文化の多様性と原則の普遍性をどう整理するかということが一つのテーマになっています。たとえば第14章では、文化の多様性を尊重することを義務づけながらも、それが普遍的な人権を侵すものであってはならない、と明記されており、国際社会における生命倫理のあり方について一つのビジョンを提示しています。

組換えDNA分子に関するアシロマ会議の要約文書(1975)

和文http://dbarchive.biosciencedbc.jp/archive/diam_safety_literature/LATEST/document/098/098-fulltext.pdf
英文http://www.pnas.org/content/72/6/1981.short

20世紀後半になると、分子生物学の進歩によって、特定の遺伝子を人為的に組み換えることが可能になりました。これに対して危機感を抱いた科学者たちは、1975年にアメリカのアシロマで会議を開催し、バイオハザードを回避するためのガイドラインを制定しました。これは、科学者が自主的に実験の危険性を察知し、これを自粛したという意味で、画期的な出来事であったと評価されています。

生物の多様性に関する条約(1992)

和文http://www.biodic.go.jp/biolaw/jo_hon.html
英文https://www.cbd.int/doc/legal/cbd-en.pdf

「生物の多様性に関する条約」は、1992年に国際連合によって採択されたものであり、地球上に存在する生物の多様性を保全するための国際条約です。特定の生物や地域の保全だけではなく、生物一般の多様性を保全するためのガイドラインとして機能するものであり、その意味で画期的な条約でした。また、そうした生物資源の「持続可能な利用」が強調されていることも、この条約の大きな特徴です。

ヒトゲノムと人権に関する世界宣言(1997)

和文http://www.unescobkk.org/fileadmin/user_upload/shs/EST/UDHGHRJapanese.pdf
英文http://portal.unesco.org/en/ev.php-URL_ID=13177&URL_DO=DO_TOPIC&URL_SECTION=201.html

「ヒトゲノムと人権に関する世界宣言」は、1997年に開かれたユネスコ総会で採択されました。90年代初頭に各国ではじまったヒトゲノム計画に対応し、ヒトゲノムの研究結果が「人類の遺産」であることを確認しながらも、それが人間の尊厳や権利を侵したり、社会的な差別のために使用されたりしないよう、遵守されるべき基本的なガイドラインが定められています。

ヒト遺伝情報に関する世界宣言(2003)

和文http://www.mext.go.jp/unesco/009/005/004.pdf
英文http://portal.unesco.org/en/ev.php-URL_ID=17720&URL_DO=DO_TOPIC&URL_SECTION=201.html

ユネスコが2003年に発表した「ヒト遺伝情報に関する世界宣言」は、ヒト遺伝情報がもつ特殊性を明確化した点で注目に値するものです。この宣言では、遺伝情報によって個人的疾病体質を予見できること、家族やその他集団にまでその影響が及ぶこと、試料採取時には意義が知られていない情報が含まれていることなどが指摘され、ヒト遺伝情報に対する特別な配慮の必要性が訴えられています。

現在の日本で用いられている指針・法令

ヒト受精胚の作成を行う生殖補助医療研究に関する倫理指針(2011)

URLhttp://www.mhlw.go.jp/general/seido/kousei/i-kenkyu/dl/9_01.pdf

ヒト受精胚をどのように扱うかということは、生命倫理をめぐる大きな争点になってきました。日本では、研究材料としてヒト受精胚を使用することは禁止されていますが、生殖補助医療のためであれば例外的に利用が許容されています。文部科学省と厚生労働省が2011年に発表した「ヒト受精胚の作成を行う生殖補助医療研究に関する倫理指針」では、その具体的な取り扱いの手続きが示されています。

人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(2014)

URLhttp://www.lifescience.mext.go.jp/files/pdf/n1443_01.pdf

近年の医学研究の多様化によって、過去の倫理指針だけでは対応が困難な問題が生じるようになりました。これを解決するために、2014年に文部科学省によって告示されたのが、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」です。具体的には、バイオバンク、インフォームド・コンセント、利益相反に関するガイドラインが明記されています。

遺伝子治療等臨床研究に関する指針 (2015)

URLhttp://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10600000-Daijinkanboukouseikagakuka/150812_rinrisisin.pdf

遺伝子治療に関する指針としては、「遺伝子治療臨床研究に関する指針」(1994年)、「大学等における遺伝子治療臨床研究に関するガイドライン」(1994年)などが示されていましたが、20年間にわたってこれらの指針が遵守されてきたことを受け、手続きを簡素化したものとして新たに告示されたのが、「遺伝子治療等臨床研究に関する指針」です。ただし、研究の進歩に伴い、遺伝子治療に加えて予防も内容に加えることや、記録の保存期間を延長するなど、多くの新しい項目も加えられました。

ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針(2001)

URLhttp://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10600000-Daijinkanboukouseikagakuka/sisin1.pdf

「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」は、2001年に文部科学省によって定められました。この指針では、特に解析による研究を中心にしながら、遺伝子に特有の性格や問題が指摘され、その適正な取り扱いが検討されています。個人情報の取り扱い、研究者の責務、試料などの管理、倫理審査委員会などの構成などが定められており、その後数回にわたって改正が行われてきました。

個人情報保護法(2003年)

URLhttp://law.e-gov.go.jp/htmldata/H15/H15HO057.html

「個人情報保護法」は、2003年に成立した法律であり、情報化社会のなかで個人情報の適正な取り扱いを定めたものです。2017年5月に大幅な改正が行われ、ゲノムデータが新たに「個人情報」に、また病歴などと結びつけるなどして意味をもったゲノム情報が「要配慮個人情報」に該当するものとして見直されました。ここには、ゲノム研究が私たちにとってそれだけ身近で重要なものになってきた、という社会状況が反映されているといえるでしょう。

厚生労働省の所管する実施機関における動物実験等の実施に関する基本指針(2006)(2015改正版)

URLhttp://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10600000-Daijinkanboukouseikagakuka/honbun.pdf

生命科学の研究においても、また人間・動物・環境の安全・保全のための技術開発のためにも、動物による実験は非常に重要です。だからこそ、動物実験には格別の倫理的な配慮が必要になります。こうした観点から、厚生労働省は2006年に、「厚生労働省の所管する実施機関における動物実験等の実施に関する基本指針」を発表しました。この指針では、動物実験の国際的な倫理的指針となっている「Refinement(苦痛の軽減)」、「Replacement(代替法の利用)」、「Reduction(動物利用数の削減)」などの諸概念が盛り込まれています。

ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針(2006)(2010改正版)

URLhttp://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/iryousaisei06/pdf/03.pdf

自己複製能や多分化能をもつ細胞を「ヒト幹細胞」といいます。代表的なヒト幹細胞としては、iPS細胞やES細胞などが知られており、再生医療への応用が期待されています。2006年に厚生労働省が定めた「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」は、ヒト幹細胞に関する基礎研究を適正に推し進めていくために、被験者の権利保護を含めた倫理的な指針を示すものです。

(執筆:戸谷洋志)

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